クーリエ・ジャポン公式HP 現場からより抜粋
この記事は、米誌「アトランティック」に掲載されて全米で話題になったアン・マリー・スローターの論文が元になっています。スローターは、オバマ政権で国務省政策企画室長を務めたエリート中のエリートです。彼女には育ち盛りの子供が2人いますが、夫は育児にとっても協力的。やりがいのある仕事に高い報酬、上司は理解ある女性(ヒラリー・クリントン)。恵まれた環境で思う存分、キャリアに邁進していたはずのスローター。そんな彼女が政府で2年間、がむしゃらに働いて出した結論が、「仕事と家庭の両立は不可能」というものだったのです。
スローターが「不可能」と言い切る理由は、米国の経済と社会の構造にあるとしています。長時間労働をよしとする「時間マッチョ」の文化や、家庭を大事にする人が低く評価される風潮が、いまだに幅を利かせているといいます。
その一例として、彼女はこんな話をあげていました。
有能で仕事熱心な従業員が2人いるとしよう。一人は走ることを趣味としていて、オフの時間はマラソンのトレーニングを積んでいる。もう一人は、子育てに奮闘している。はたして雇用主は、マラソンランナーをどのように評価するだろうか? 朝に起床し、出社する前に1~2時間走り、長い一日の仕事を終えた後にも出かけている。そんなマラソンランナーについて「自己管理ができ、高い目標に向かってわき目もふらずに努力できる人物」と評価するのではないだろうか。
ここで正直に考えてほしい。はたして雇用主は、育児に奮闘している従業員についても同じように考えるだろうか? おそらく子供のいる従業員もマラソンランナーと同じくらい早朝に起床し、出社する前に子供の朝食と弁当を作り、学校に送り出しているだろう。もちろんマラソンランナーと同じ仕事量もこなしている。1週間に30~50㎞走る人と同じくらい、自分を厳しく律していく必要があるのは言うまでもない。
だが、雇用主は、たいていの場合、そんなふうに考えない。当然、そういったことが昇進につながることもない。
「キャリアも家庭も手に入れて当然!」
「女だからってできないはずはない!」
「両立できないのは本人の努力不足!」
前を進むモーレツ先輩女性たちにそう発破をかけられたら、自分も「頑張る」しかありません。弱音や甘えが許されない、競争社会の厳しい現実に直面しながら働く多くの女性たちに、スローター論文は支持されたのでしょう。
http://courrier.jp/blog/?p=12388
さて、皆さんはどう考えるでしょうか。
女性の社会進出が当たり前のアメリカでも、とも書かれていますが、
アメリカのキャリアウーマンが果たして育児両立を
本人の評価で「満足」としているかどうかは疑問です。
というのも、アメリカで望まれるキャリアウーマンに居続けるには
日々の多忙な業務と、残業、休日出勤を拒否できず、
常に上司から、また同僚からの「評価」を気にしながら働き続ける事になります。
(360度評価などでは 上司や同僚の評価が鍵となりますし、
主観的な評価が入るなら 遅刻・子供の急な発病による急な早退・
休日出勤や残業の拒否などされたら 何と書かれてしまうのか)
アメリカでは評価がすべてなのですから。
子育ては 当然ナニー(子守り)に依頼しなければなりません。
それが良しとされるアメリカの伝統では
それで良しと母親も思うのかもしれませんが、
きっとそうではない母親もいるでしょう。
日本では個々数年間で
家庭の「経済格差」によるその子供の「学力格差」が問題視されてきています。
私も 娘の中学受験を経て、
子供によい教育を受けさせたいと思う場合、
どれだけの費用とがかかるのかをよく知る事となりました。
ここからは 今はまだ私の個人的見解ですが
経済格差に加えて 「親が子供にかける時間」格差も同時に必ず問題になります。
子供と一緒に勉強を見たり、話を聞く時間「親子の伴走時間」が
「学力」をつけるために、
いえ、「学力」という問題以上に、
将来を変化中を生き抜く 強い人間となるために
親の伴走が必須となるからです。
少なくても 早くから自立させない
日本の子育てでは重要です。
勉強ばかり強いたり、
人任せばかりにできない時代にきたという事です。
でも、これらは 経済格差による学力格差とは
矛盾した要求になりますよね(困)
例えば、中学受験には多額の費用がかかります。
でも、毎日子供の学力の伸びだけでなく、
子供がどこにつまづき、
どこで伸び悩み、
どんな助けを必要としているのか。
「塾の先生に聞きなさい」、
で よいのかどうか・・
子供によい学力をつけるために
親は一生懸命働くのに、
本当の学力と強い人格を得るためには
子供とともに学習を経て話あい、考える時間が
多く必要とされるのですから。
ここで職場での問題は
育児と仕事がどちらが大事か、と問う姿勢です。
育児が 個人的なものである、と切り離そうという考え方です。
共に働く女性労働者が
自分たちが 望む働き方を選択できる事、
仕事も大事だけれど、家庭の仕事も大事な時期がある、ということを
女性の立場を理解してあげること、
最大の能力を発揮して 企業の利益に貢献できる状態を
作るためには 個々の育児を個人的なものと切り捨てず、
彼女たちが その(育児の)数年間を安心して働ける環境を作ってほしいと思います。
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