2009年1月14日水曜日

「PCと上手く話せない?!」―環境とのコミュニケーションを促進する「職場環境」の設計

働く人と作業空間の関係は実はとても深いことをご存知でしょうか。
私は最近右肩が妙に凝りやすく、もともとの体質(凝りやすい)事実を差し引いても
疲れやすさを妙に意識していました。

そして、本棚を見ながらふと目にした「産業人間工学」の本・・・。

アーゴノミクス(ergonomics)ー産業人間工学とは ヨーロッパで人間工学心理学に相当するものですが、
これを学んだ立場でありながら、自分には生かそうとしなかったことに気がつきました。


左図資料:  「人間工学からの発想」小原二郎 講談社 第一章P36  より引用したものに blog作成者が赤く書き込みをしたもの

Ergosは「労働」、 nomosは「自然法則」という意味です。
アーゴノミクスは人間-機械インターフェイスの概念から発したものですが、人間と機械などの設備が相互作用的システムとみなす考え方です。それは、労働者にとって職場が快適であること(明るさ、温度、窓など)を起源とした、人と環境の間のコミュニケーションのことを言います。


環境がコミュニケーションできるのか、というと、私たちは常にそうしているのです。
人と人の間で、人と外部環境の間で、そして自分と内なる自分との間で。

たとえば、消防署や原子力などを扱う施設でのコントロールシステムは、つまり、いわゆる「うっかりミス」を最小限に食い止めたい場所では環境と人の心理的な動きを綿密に計算してシステムが設計されています。
私たちの脳は、絶えず緊張を強いられることを嫌ったり、無意識に行動に一貫性を作り上げるなどの性質を持つために、心を持つ人間とそうではない機械・設備との間のコミュニケーションはとても重要なテーマとなるのです。

身近で言えば、ユーザーフレンドリーというのもそうなのではないでしょうか。
家電製品やドアなどの設置のされ方・昨今ではATMなども新しいものに直面したとしても私たちは困惑することなくたいてい上手く使い始めることが出来ます。
ひとつのシステムがおおよそ普遍的に同じ種類のものに応用できるように設計されているからです。
色をとってもそうです。赤い色が点滅すると 自然と緊張を覚えます。
壁の装飾や色も、病院などは心を落ち着けるやわらかい色合いが好まれますよね。

さて、この肩のわずかな痛みですが、
2ヶ月前にオフィスを開いた際、自分のデスクの位置を決め、並べたのですが、
電気のコンセントや、その他の機器のケーブルの長さ等の関係で
ラップトップのPCを左手傍に置くようにしていましした。単に物理的な利便性を考えただけです。電話はPCのパネルの後ろに必然的にきて、右手が利き手なので自然と書類の位置、道具の位置が決まっていきます。


簡単に言うと、私にとっては不自然な筋肉の動きを強いる配置をしていた、ということです普段とは違う特定の動きが頻繁に要求されるので、それに対して身体が痛みを発した、ということです。
怖いのは、痛みが小さいために気がつかず蓄積されて、意識できるレベルになって初めて身体的不快さ(痛みなど)に気づくということです。

仕事に集中できないという人、配置は考えていますか?周囲に常に雑然とした人の動きが意識される配置の中にいませんか? 透明なオフィスは常時人の緊張を強いますし、緊張する相手と絶え間なく目が合うようなレイアウトをしていませんか?などなど・・・
腰痛などは意外にも それらのストレスからくることもあるのです。侮れませんね。
オフィスの機器の設置は人の心理に大きく関わってきます。

来週は、少しデスク上の配置を見直してみようと思います。
  

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